チェーンソー・刈払機の豆知識(その2)

−こんな時どうする?−

はじめに

 前回、62(平成166月)で、チェーンソーと刈払機の簡単なメンテナンスと長期間使わないときの保管方法についてお話ししましたが、今回は、チェーンソーのエンジンがかからない主な原因とキャブレターの調整方法についてお話します。

1 エンジンがかからない原因は?

 長期間の保管後にエンジンがかからない場合(62参照)を除いて、エンジンがかからない原因は大きく分けて2つあります。

 一つは電気系統の故障です。ガソリンエンジンの場合、スパークプラグに火花が散らないとエンジンはかかりません。また、プラグに火花が散ってもそれが弱いとかかりません。

 正常かどうか簡単に確認するには、プラグキャップに金属製のもの(ドライバー、太めの針金など)を差し込んで、その先端をエンジンから5ミリ位離した状態でスイッチを入れ、スターターを引いてやります(感電に注意!)。これで火花が散るようでしたら電気系統は異常なし、という目安になります。プラグ自体で火花を確かめないで他のもので確かめるのは、強い火花がでているかどうかを見るためです。なお、この時、プラグはエンジンから抜いておくとスターターが軽く引けます。

 二つ目は燃料系統の故障です。燃料がエンジンまできていなければ、当然のごとくかかりません。燃料がエンジンまできているかどうかを見るには、スイッチを切った状態でスターターを5〜10回引いてやってからプラグを抜いてください。プラグの電極が濡れているようでしたら燃料がシリンダー内までいっているので、燃料系統は異常なし、ということになります。

 なお、燃料系統が正常な場合、エンジンがかからないからといって何回もスターターを引いていると、燃料がシリンダー内に入りすぎている状態になって、電極が濡れてしまいます。こうなるとエンジンがかからない原因の一つとなりますから、プラグを抜いてプラグ穴周辺と電極の燃料をふき取り、ある程度乾かせてから元通りにし、再び始動させてみましょう。

2 対処法は?

 悲しいかな、私たちでは故障の原因のおおよその目安はついても、これをなおすことができるのは62で紹介したような、一部の簡単なものに限られます。先に挙げた電気系統や燃料系統が故障したりすると、例えばイグニッションコイルの不良やキャブレター内の詰まり、といったような原因が考えられ、チェーンソーの分解と部品の交換になりますので、こうなりますと専門店に依頼せざるを得ません。

3 キャブレターの調整について

 これは故障ではありませんが、@木を切っているときの力が弱くなったとか回転が上がりにくい、あるいは、Aエンジンのかかりが悪い、アイドリングからの吹き上がりが悪い、などを感じたらキャブレターの調整をしてみましょう。チェーンソーについている「H」と「L」のネジの調整です。キャブレター(気化器)は、燃料と空気を混ぜ、エンジンの中へ送り込んでいる部分です。これを調整するということは、エンジンに送り込まれる燃料と空気の比率を変える、すなわち、濃くするか薄くするかということを調整している、ということになります。

 @のような場合は「H」の方を調整し、Aのような場合には「L」の方を調整します。基本的には取扱説明書に記載されている方法に従いますが、なくしたりネジをどこまで回したのか分からなくなったような場合には次の方法を試してみてください。

(1)調整の準備をしましょう

 2〜3分の暖機運転のあとエンジンを止めたままで、小さなドライバーを親指と人指し指で持ち、調整したい方のネジを軽い力で時計方向に止まるところまで締め込みます。

 次にそこから1回転だけ反対方向にゆるめて準備OKです。

(2)H(高速)の調整方法

 エンジンをかけ、スロットルをいっぱい引き絞った状態でネジを徐々に締め込んでいきます。締め込んでいくと回転が上がっていき、いずれ回転が上がりすぎて止まってしまいます。その位置からネジを時計でいうと10分から15分程度ゆるめてやった位置が、最適なポイントの目安となります。

(3)L(低速)の調整方法

 エンジンをかけ、小刻みにスロットルを引きながらネジを締め込んでいきますと、ワンテンポ遅れて回転が上がってくる位置があります。スロットルを引いたときに、エンジンが止まってしまうようでしたら締めすぎています。このワンテンポ遅れて回転の上がる位置を見つけて、その位置から同じくスロットルを小刻みに引きながらネジをゆるめていき、スムースに吹き上がる位置までゆるめてやれば調整完了です。

 ちなみに、写真にある「T」は、アイドリングのスピードを調節するネジです。時計方向に回すとアイドリングが早くなります。チェーンが走り出さない程度に調整しましょう。

おわりに

 機械は、こまめに点検・整備をしてやれば案外故障も少なく、また、故障しても軽い程度ですむことが多いものです。ひいてはそれが労働安全にもつながることとなります。大病を患う前に点検・整備を心がけ、ケガは小さいうちに修理しておきませんか?。

■内容に関するお問い合わせ先

徳島県立農林水産総合技術センター

森林林業研究所  主任専門技術員 伊賀上 朗

TEL 088-632-4237  FAX 088-632-6447

E-mail  igaue_rou_1@pref.tokushima.lg.jp